2014年7月29日火曜日

Re: 参考になりました。

性懲りもなく骨盤と筋肉の話です。
※追記 読み返してみると、前回書いた内容と結構かぶってます(^^ゞ
  ま、まとめ直したということで…


さて、私がロード乗り始めた頃に買った入門書には、
こんな写真が載ってました。

「骨盤を立てて」「背中を丸める」フォームですね。
よく、大きなボールを抱え込むイメージとか言われます。

でも、ロードレースの中継を見てて、こんな風に
「意図的に」骨盤を立てて走ってる選手いたかな?と思い、
改めてフォームに注目してレースを見返してみました。

キャプチャーのために、オンデマンドから適当に選んだ今年のジロ・デ・イタリアのワンシーン



FDJの選手がちょっと立ち気味かな~というくらいで、
あとは軒並み骨盤が自然に前傾していると思うんですけど、そんなことないですかね?
これ、動画で見ると「意図的に」骨盤を立ててないのは一目瞭然なんですが。
あ、誤解のないように言っておきますが、私は「骨盤を寝かせろ」とまでは言ってません。
「意図的に」「骨盤を立てる」のが間違いじゃないの?という話をしてます。
では、なぜ骨盤を意図的に立てるのが間違いなのか?
それは、骨盤を立てることにより、ハムストリングをペダリングに利用できなくなるからです。
「いやいや、俺は骨盤を立てて乗ってるけど、走り終えたらハムストリングに疲労感が残るぞ、
これはハムストリングを使えてる証拠だろう」
という方もいらっしゃるかもしれません。実は以前の私もそうでした。
でも、実はそれ、「骨盤を立てる」ことにハムストリングが使われてるだけなんです。
(なお、骨盤の前傾・後傾というのは、股関節に対しての話です。腰椎の湾曲とごっちゃにしないでくださいね。)
骨盤は、前部が腸腰筋で大腿骨につながり、後部が臀筋とハムで大腿骨につながっています。
そして、腸腰筋が収縮すれば前傾し、臀筋とハムストリングが収縮すれば後傾します。
つまり、意図的に骨盤を立てるということは、姿勢維持だけのために、
貴重な臀筋とハムストリングを使っちゃってる状態なんです。
そりゃ疲れますよ、ハム。姿勢維持プラス、さらに収縮してペダリングまでやらされるんですから。
じゃあどうすればいいのか?「骨盤を立てる」なんてことをまったく意識せずに、
ただ自然にハンドルを持ち、それに合わせて自然に骨盤を前傾させればいいんです。
腰椎が柔軟な人は、腰椎が屈曲するので、それほど骨盤は前傾しないでしょう。
私のように腰椎の柔軟性が足りない人は、骨盤の前傾が多めになるでしょう。
ただそれだけの話なんです。それだけで、大腿四頭筋もハムストリングも臀筋も、
ペダリングのためだけに力を使うことができます。
え?骨盤を立てないとハンドルに体重がかかりすぎるって?
んなこたーないです。上体を支えるのは別の筋肉のお仕事です。

これと

これですね。いわゆる背筋です。
間違っても腹筋に力を入れたらダメですよ。
そしたら腹圧が高まって、腹式呼吸ができなくなっちゃいますから。
腰腸肋筋と胸最長筋で、ハンドルに体重がかかり過ぎないよう上体を支え、
臀筋とハムと大腿四頭筋はペダリングに専念する。いや~実に無駄のない分業ですね。
「骨盤を立てないと上体の力がうまく使えない」とか書いてる本や雑誌がありますけど、
どう考えても「人体の構造上ありえない話」だと思います。
いや、でもこんな写真もあるぞ


これなんかは、上の写真に比べて骨盤も立ってるし、背中も丸まってるじゃないか。
はい、たしかにそう見えますね。でもこれは、上の写真とは場面が違います。
鍵になるのは「大腿直筋」なんですけど、その話はまた次回に。
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なかなか文章にするのは難しいですね。
暇な方は固定ローラーで筋肉さわさわしながらいろいろやってみてください(笑)

8 件のコメント:

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    素晴らしいwwww
    あたしもこういう記事を書こうと思ってたんですけど
    すんなり断念しましたwwww
    もし御面倒でなければなんですが。。。
    ぺダリングの円の各ポイント間で
    どの筋肉を動員しているのかっていうのを・・・あの・・
    いえ、自分でやります(笑)
    続き楽しみです!またお願いします^^

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  2. SECRET: 0
    PASS: edeb0b7187c37434d67818d62c6d7b79
    >RUMIOKANさん
    褒められた(〃∇〃)
    >ペダリングの円の各ポイント間で…
    「ペダリング」「筋肉」で画像検索かけると出てくるようなアレですね。
    詳細は明日書きますが、実はアレにも嘘がありまして、
    股関節と膝関節両方に作用する筋肉の場合、どちらの関節に対しての作用かで、
    まるっきり逆の働きになっちゃうんですよ。
    間違いないのは、臀筋は踏むとき(1時から5時くらい)、
    腸腰筋は腿上げの時(7時から11時くらい)、だけですかねぇ。

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  3. SECRET: 0
    PASS: 17750b61fa0a6f666cab806659bf29c6
    初めまして。
    とある整形外科医をしているローディーです。
    仕事がら、ヒルクライムをしたり、平地巡航したり、ダンシングしたり
    それぞれの場面でついどの筋肉が働き、どうすれば効率よくペダリング出来るかを考えながら走ってます。
    自分の考えの足りない部分、分からない部分を分かりやすく解説していただいた記事に感銘を受けました(^^)
    これからの参考とさせていただきます♪

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  4. SECRET: 0
    PASS: edeb0b7187c37434d67818d62c6d7b79
    >junさん
    はじめまして、コメントありがとうございます。
    整形外科さんだなんて、本職じゃないですか…。
    こんな素人の考察を載せてるのが恐ろしくなってきました((((;゚Д゚))))
    でも、参考になったと言っていただいたので、
    調子に乗って明日も続きを書きます(笑)
    間違ってたら教えて下さいm(_ _)m

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  5. SECRET: 0
    PASS: 1f32aa4c9a1d2ea010adcf2348166a04
    おはようございます。
    記事の内容はまさに我が意を得たり!という感じでした。
    ブルベやツーリングでなが~い距離を走ることもありますが
    「骨盤を立てる」という意識をしてバイクに乗ることは
    ほとんどありません。仰る通り、ごく自然な前傾姿勢を取る
    だけです。自分のライディングフォームが正しい!とは思い
    ませんが、最初の写真の人のフォームは頑張りすぎです。
    「骨盤」を立てることを過剰に意識するよりも、その人に
    適したフォームを作っていくというのが現代の流れでしょう。

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  6. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    私も5年程前に自転車を始めたころ、同じ違和感を感じていました。
    私にはそれを説明する知識がありませんでしたので、自分が初心者だから
    だろうと思っていましたが・・すっきりいたしました。
    冒頭の雑誌の写真と同じような写真、手持ちの本にもあります。
    骨盤立てるとか、背中の丸みとかやたらいうのは、あの人・・
    エ○ゾ早川氏の理論ですね。 最近見かけませんが(笑)

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  7. SECRET: 0
    PASS: edeb0b7187c37434d67818d62c6d7b79
    >fumitaroさん
    > 記事の内容はまさに我が意を得たり!という感じでした。
    そう言っていただけると書いたかいがあります(^^)
    身体の柔軟性は人それぞれですから、結果的に骨盤が立ち気味の人はいるんでしょうけど、
    まあ、最初の写真なんかは明らかに「やり過ぎ」ですよね。
    でも、そのやり過ぎフォームを進める本や雑誌もまだまだあるんですよね…。
    いや~、筋肉の本買って良かったです。
    今までもやっとしてたことを、明確に判断できるようになりましたから。

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  8. SECRET: 0
    PASS: edeb0b7187c37434d67818d62c6d7b79
    >atabatzzさん
    はじめまして、コメントありがとうございます。
    結構いるはずですよね、「骨盤を立てて」「背中を丸める」に違和感を感じる人は。
    まあ、エンゾさんにかぎらず、そのような説明をしている本やブログはいっぱい見つかります。
    個々の筋肉の働きを見れば、すぐに分かる話なんですけどね…。

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